選ばれるエンジニアの案件面談術
こんにちは。面談無敗エンジニア(?!)、にぬねです。
組込みCからスキルチェンジでルトラに入社以降、JavaやWebシステム未経験状態のときから面談無敗です。(もちろん私だけの力ではないです!ブログなのでちょっと強気に始めました。ゆるして)
さて今回はエンジニアの「案件面談」のお話。
初めての案件面談から現在に至るまでの経験を踏まえ、
実績有無やスキル状態によらず「普遍的に意識していること」を書いてみました。
あくまで一例として(こういうやり方のエンジニアも居るんだ~)程度にどうぞ!
目次
面談のスタートとゴール
「そもそも面談に辿り着けない」案件はもちろんあります。
SESでは経歴詐称当たり前…なんて話も聞いたことがあるなかで、経歴詐称していないからこそ、面談に辿り着けないこともあるんですよね。
(もちろん経歴以外にも、距離やその他、なにか条件が合わない部分で面談に進めないケースはあると思います。)
ですが、面談に進めないのは、事前に悲しいミスマッチを防いでいるだけなので、落ち込む必要はありません。
そんな中で、面談依頼を受けたということは「概要を知ったうえであなたに興味がある」状態。ここが面談のスタート地点ですね。
で、面談を通して会話をし、現場側・エンジニア側の両者が「一緒に働けそうだとイメージできた」状態が面談のゴール地点だと考えています。
このスタートとゴールのギャップを埋めるために、お互いを知る面談に臨みましょう。
大事なマインド
「この人となら一緒に働けそうだ」と思われるには、何が必要でしょうか。
まず気を付けなければならないのが、どんなスキル状態であっても、
現場が求めているのは「プロジェクト成功のために”貢献”してくれる人材」だと思います。
特にスキルチェンジや新しいポジションを目指すとき、”自分が成長できること”だけに重点を置きそうになることがあります。
もし「参画した際には、成長していきたいと思います!」と元気に締めくくりそうになったら要注意。
それは「あなたにとって、この案件に入るメリットはあるみたいだけど、現場にとってのメリットは何?」となる可能性が…。
相手も慈善事業ではないので「あなたが成長すればそれでよし」ではありません。
「あなたが成長することで案件の推進にも貢献してくれそうだ」という、相手の利点があったうえで、副次的効果や過程として”あなたの成長”が必要になることはあります。
大事なのは、自分のWinや求めることだけに偏らず、相手の納得感も得られるように気を配るマインドを持つこと。
Win-Winのイメージを持てることを目標としていきましょう。
意識していること
とはいえ”貢献”と言われても自信がない…。相手にとってのメリットとして何を伝えればよいのか分からない…。
ここでいったん思い出すべきは、面談依頼を受けたということは「概要を知ったうえであなたに興味がある」状態であること。
スキルが求めるレベルに乗っていないと判断されていれば、そもそも面談に辿り着いていません。
相手はあなたのどこかに興味を持っています。伝えるべきは相手の興味への回答です。
しかし案件ごと、面談者ごとでも評価する観点は様々なので、最初から回答すべてを準備しておくことはできません。
ならば、自己紹介/経歴紹介で回答しきろうとせず、相手の知りたい情報/興味のあるところは質問してもらいましょう。
経歴紹介と質問の時間配分が5:5、もしくは質問で会話する時間のほうが長くなるぐらいを意識しています。
紹介フェーズは質問への布石
さて紹介フェーズでの布石とは以下だと考えています。
「最低限の要件を満たしていそう(将来的に満たせそう)だと思ってもらうこと」
「相手が後で質問しやすくなること」
完璧は無理ですが、その案件にあった布石を打つためにしていることは次の通り。
- 案件概要に書いてある単語/要件を再チェック
- 要件と近い経歴を見つけておく
- 一致しない/経験がない要件も把握しておく
- 冒頭で「関連しそうな経歴をかいつまんで説明します」という旨を伝える
- 説明する経歴の”No+どう関連度が高いか”を伝える
「No.Xは、[扱うシステム│開発環境│作業│工程│etc]が今回と近い経歴です。案件自体は〇〇の開発で~」 - 各経歴では、関連度が高い部分がある項目から優先的に説明する
- 関連度が低い項目はいっそ飛ばす
- 別画面で案件概要を確認しながら話すのもアリ
- 項目が飛ぶときは視線誘導の言葉を入れる
特に最初の経歴は丁寧に。
「ひとつ右に移りましてhogeについては」
「業務の詳細はいったん飛ばしまして、先にシート左側の工程ですが」
「”ツール等”の欄で真ん中あたりに記載している○○は」
「担当業務のポチ上から3つ目」など。
- これらを10~15分で話せるよう、声に出して練習
人間は視覚からも情報を読み取っているので、スキルシートも細かい内容を一語一句すべて言う必要はありません。
※読み上げるだけのほうが緊張しないときは、語句はそのまま読みつつ、飛ばし方を練習しておきます。
何がどの辺に書いてあるか、案件と関連する経歴は何番か、相手を置いていかずにガイドしておくと、相手は知りたい項目を見れますし、質問でここをもう少し聞こうという布石になります。
もし話す時間や気持ちに余裕があれば、以下を追加します。
- 該当しない/経験がない要件について、自己申告
「ここまでが経歴やスキルなのですが、今回要件にあったhogeについては、正直に申し上げまして経験がありません」 - リカバリ内容も自己PRのつもりで伝える
「ただ経験はないのですが、fugaやbooなどをすることでカバーしていきたいと思っています」
リカバリ系のアピールは省略しても大丈夫です。
先回りして伝えるとプラスになるかも?というだけなので、もし伝えきれなくても、大事な要件であれば必ずあとで向こうから質問されます。
質問されなかったとしても、逆質問フェーズのトピックとして使うこともできます。
会話のキッカケとするためのスキルシート
紹介フェーズで布石を打ち、視覚で情報を与えつつ、あとで気になるところを質問してもらう…。
それには「スキルシートの記載が具体的であること」がベースになると思っています。
経歴紹介のときに口頭で細かく説明する必要はありません。
話すのが苦手でも、書いてあれば「○○と書いてありますが」と質問が飛んできます。
記載内容は取っ掛かりになればよいですし、何がどこに引っ掛かるか分かりません。
経験したことがアピールポイントになるか不安でも、細かすぎるかもと思っても、やったこと、触ったツール、関連する環境…書けることは書きましょう。
自己PR欄も存在は認知してもらう
案件概要によっては、望ましい人物像というのを見かけることがあります。
コミュニケーション能力に問題ない方
逐一、報告・連絡・相談ができる方
能動的な方、意見や提案を出せる方
自分で考えてYES・NOがはっきりと言える方
スピード感を持って自律的に行動できる方
全部一気に書いてあるわけではないですし、担当フェーズにもよりますが…。
記載されているからには、現場で求められているということです。
上記は例なので、自分なりの仕事への取り組み方や傾向でOK。
書くほどではないかもと思っても、意識していることがあるなら自己PRとして書きましょう。
自己”PR”だと尻込みするときも、自分の”傾向”だったら書けるはず。
そして、自己PRの記載があることを、認知だけでもしてもらいます。
- 内容は言わずに視線誘導だけするパターン
「最後になりますが、シートの一番下、自己PRに記載の内容をもって、案件に貢献できればと思います。経歴紹介は以上です。ありがとうございました。」 - 最後の一文だけでもそのまま読み上げるパターン
「自己PR、一番下の文章のとおりですが、○○○○です。経歴紹介は以上です。ありがとうございました。」
これらをゆっくり言っている間に、他の自己PRが相手の視界に入ります。
※頑張って書いたはいいが、話すのは気恥ずかしい、というときにも使えます。
※時間や気持ち的に言えるときや、経歴がまだ少ないときは内容も伝えましょう。
正直、自己PRは質問フェーズに進むと見てもらえないことが多いので、視界に入れるチャンスは経歴紹介だけです。
余裕があれば、対象案件のフェーズや業務内容からどういう人物だとこの案件は助かるかな?を考えて、自己PRを追加したり読み上げる箇所を変えるとベター。
仕事への取り組み方や、コミュニケーション傾向を伝えておくことで、もし同じスキルレベルのエンジニアで悩んだとき、自己PRは選んでもらう後押しになります。
質問フェーズは許容範囲の摺り合わせ
事前に練習ができる経歴紹介と違い、何が聞かれるか分からない質問フェーズで、うまく答えるのは難しいですよね。
そもそも”うまく答える”とは、どういうことでしょうか。
相手の期待通りの答えを言うことでしょうか。
相手の期待を想像して、期待通りに回答しようとすると、本当のことが言いづらく感じてしまいませんか。
実情にそわない回答は、相手の期待ではありません。
必要とされているのは、判断や対策をするための「実情にそった情報」です。
あなたが逆質問したときを考えてみてください。
回答は正直に伝えてほしいですよね。
反対の立場でも同じです。
質問への回答で気を付けているのは以下です。
- まずYES/NOで答える
「まず回答としては[YES|NO]です。~~」 - YES/NOで言えないとき、最後に回答になったか確認
「正直どちらとも言えないのですが、~で言えば○○です。回答になりますでしょうか。」 - 実際と違う答えを言ってしまったら後から訂正
逆質問フェーズのときでもいいので、後からでも伝え直す。
「質問ではないのですが、先ほどの回答、訂正させてください。」 - 不足かもと思ってもまず現状を回答
現状をまず答える。リカバリはそのあと。 - 回答が長いと気付けたら自己申告して再回答
「話が長くなってしまいましたが、改めて回答としては[YES|NO]です。」
前職で質問への回答が「まず回答としては[YES|NO]です」から始まる課長が居ました。日本語の「はい」は相槌と混同しやすいですが、YES/NOだと”回答”であることが伝わりやすく、自分としても回答したか認識しやすいので、私も好んで使っています。
回答結果の判断は可否のゼロイチではなく、グラデーションがあります。
対策すれば許容できそうだと判断されることもあるし、この部分は範囲外かもとなる場合もあるでしょう。
「○○も理解してるってことでいいですか?」と質問されて焦る場面はありがちだと思いますが、相手は入場後のフォローするレベルを知りたいだけのときもあります。
質問内容以上に意図を勘繰りそうになったら落ち着いてください。
焦る脳内や駆け巡るリカバリ方法を抑え「まず回答としては」という言葉をしぼり出しましょう。
質問回答が苦手な方は”案件面談でされやすい質問”の記事を探してもよいと思います。たくさん情報が落ちています。
逆質問フェーズで一緒に仕事するイメージを具体化
最後に、逆質問(エンジニア側が質問する)フェーズがあります。
自分自身の不安を解消するための大事なフェーズであり、面談の終わりが近づいています。
面談終わりに辿り着きたいゴール地点は、現場側・エンジニア側の両者が「一緒に働けそうだとイメージできた」状態。
自分の不安解消は言わずとも皆さん意識すると思うので、
相手に「一緒に働けそうだ」と思ってもらえるように意識していることは以下です。
- もはや入場している気持ちで会話する
マインドとして、部外者やお客さん気分ではなく、
チームとして既に一緒に働いている先輩だと思い込む。 - 自分がチームにいる状態を想像してもらう
入場初月についてや、体制について聞いてみる。
「X月はhogeフェーズでしたよね。もし私が入場できたとしたら、どのような作業から着手になりそうでしょうか。現時点でもしイメージなどあれば教えていただけますか。」
「入場するとしたらどのチームになりそう、とか、質問したいときはどうするとよい、など、体制のイメージはありますか。」
など、自分を実際にチーム投入する場面を含む質問。 - 回答に対しても反応を返す
もらった回答によって、不安が解消したのか、問題なく作業できそうだと思えたのか、気を付けたいと感じたことはあったか、不安を感じて追加質問したいことはあるか。
全質問でなくていいので、質疑応答ではなく”会話”になるようワンアクションをプラスする。 - 勤怠面で伝えることはここで確認
自社用や通院など、何か定期的に現場を抜けるイベントは忘れずに伝える。
「一緒に働けそうだ」というより「あれ?もう一緒に働き始めた?」と錯覚させるぐらいの気持ちでいます。
こちらへの質問が終わっているので、相手からはあなたへのイメージがいったんできている状態です。その上で、”もし仕事し始めたら”をお互いに想像できるかどうか。
一歩踏み込んで想像してもらうことで、相手から追加確認が出てくることも。
逆質問は、自分の不安解消=相手の不安解消にもなると考えて、ゴールに向けて会話していきましょう。
おわりに
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
お疲れさまでした。
普遍的に意識していることなので、書いてみたらコミュニケーションとしてはありきたりな内容になってしまいました。ゆえに基本を抑えるのは大事だなと痛感しています。
断定的な言葉で書いていますが、違うやり方/考え方/伝え方もあると思います。一例として参考になれば幸いです。
案件面談は、お互いのマッチングが必要です。
完璧でなくても相手視点に配慮しようと意識すること、相手の納得感も得られるように気を配るマインドが大事。
自分の”やりたい”に近づくため、
より希望に近い案件に入る可能性をあげるため、
案件面談で選ばれるエンジニアを目指していきましょう。
にぬね
「踊る阿呆に見る阿呆、同じ阿呆なら踊らにゃ損々」
とりあえず興味のむくままに動く人。
なんでも検索しちゃう。
夕方の帰り道に世界が青く見える現象の名前を永遠に覚えられなくて毎回検索している。
おそらく社内ブログ随一の長文タイプ。反省はしている。後悔はしていない。