こんにちは!勝手に書いているオレオレ「エンジニア虎の巻」シリーズ、今回は新しい現場に入ってからの「なんかまだ馴染めてない感」を突破するお話です。
まえがき
SES業界で働いていると避けられないのが「案件の変わり目」ですよね。案件を変えるのって、エネルギーを使うし腰が重くないですか? 私自身、なんだかんだ毎回「カロリー高いなぁ…」と感じています。
でも、いざ変わってみると「あ、やっぱりもっと早く変えとけばよかったな」とも思うんですよね。 SESで働く以上、興味のある技術への挑戦、単価アップ、新しい経験のために「案件を変える」というのは、とても大きな意味を持ちます。
「案件面談」のコツについては過去ブログ(選ばれるエンジニアの案件面談術)に書いたので…
今回スポットを当てたいのは「現場に入った後」です。
私が過去に、入場数か月で言われて一番嬉しかった言葉があります。
この空気感、よくないですか?
数ヶ月前に入ったばかりなのに、「古参メンバー」のように感じてもらえる状態。
ということで、私が新しい現場に入ったときに気をつけている「チームに馴染むための超個人的Tips」をブログにまとめました!
「へぇ、こんなふうに立ち回っているエンジニアもいるんだなぁ」くらいの感覚で、みなさんの性格や現場の環境に合わせて、使えそうなところがあれば嬉しいです。
「馴染めていない感覚」ってなんだろう?
まずは逆説的に、「チームに馴染めていないってどんな状態?」を考えてみます。
- 質問ができなくて、タスクを抱え込みすぎてしまう
- パンクしかけていることに、周囲が誰も気づけない
- 最新の状況やニュアンスが共有されてこない
- サービス自体や開発運用に、どこか入り込めない
- コアなタスクではなく簡単なところをなぞっている
最初のオンボーディング期間にコアなタスクが振られないのは当然ですが、どことなく「お客さん」のような距離感がある状態。
つまり、馴染めていない状態とは、チームの「中核」と自分の間に壁がある(あるように感じている)状態だと言えます。
「チームの人員(人間関係)」としての側面と、「業務知識(ドメイン知識)」の側面の2つがありそうです。
「チームに馴染む」の定義って?
では、その逆の「馴染めている状態」とは何でしょうか。
ここで明確にしておきたいのが、私の中での「馴染む」は「仲良くなる」とは違うということです。プライベートも含めて仲良くなれば話しやすくはなりますが、極論、仲良くならなくても仕事は成り立ちます。今回のブログは「お友達になるためのTips」ではないことをご了承ください。(むしろそれは誰か私に教えてください!笑)
私が目指す「馴染む」のゴールはここです。
🎯 馴染むのゴール
- 対象サービスを自分事に捉えられて、チームに参加できる
- サービスやチームについて質問や提案ができる
- お互いに認識の齟齬がない状態を作れている
- 自分が仕事をしやすく、チームも自分に仕事を頼みやすい
技術力が神がかっている必要はありません。
「お客さん」を脱却して、チームの作業や会話に当事者として参加できている感覚こそが重要です。
馴染むための超個人的Tips
「2〜3年前からいる気がする」と言われるような信頼関係の構築や、会話に入っていくためのサービス概要の掴み方はどのようにしているのか。
私が実践しているTipsを、「質問の仕方」「業務の把握」「雑談ぽさの混ぜ方」の3つのポイントでご紹介します!
【質問の仕方】自走を示すための能動的質問
新しい現場で誰もが悩むのが、「いつ、誰に、どこまで調べてから質問していいかわからない」問題です。まず大前提として、以下のマインドを心に留めておきましょう。
💡 心に留めておきたいマインド
🔹 周りが忙しいからこそ、自分から積極的に困りごとを開示して、適切にヘルプを上げる。
チームはあなたを「貢献してくれる人員」として迎えています。「邪魔しないように話しかけない」のではなく、「自分から動いて状況をオープンにしてくれる人」が一番助かるのです。
🔹 質問するほどではないと感じても念のためぐらいで質問(確認)を入れたほうが信頼を得られる場合がある。
たとえ回答速度が速かったとしても、信頼できなければもう一回同じことをして精度を見たくなるのが人の心理です。プログラムやAIでも、”ログを吐きながら過程を示して正解が出てきた”ほうが安心しますよね。
大事なのは、完璧に整理された質問をすることではありません。適切に質問しながら、最初に振られる小さなタスクをこなして「この人は自走できそうだな」と思ってもらうことが必要です。
なお、自走=自分ですべてができること、ではありません。
周りが気にしてフォローするのではなく、必要なタイミングで自らフォローを求められること、が最初の自走です。小まめな確認は、チームへの「安心感」の提供になります。
これを踏まえた上で、私が実践している具体的なTipsがこちらです。
【超・最優先】入場早期は「質問の仕方」自体を質問
特に初日〜3日目くらいまでの最優先事項はこれだけと言っても過言ではありません。以下のセットを最初に聞いてしまいます。
・「どなたに、どのツールで聞くのがよさそうですか?」
・「もし〇〇さんが忙しそうなときでも、気にせず声掛け/メンションしちゃって大丈夫ですか?」
・「逆に避けた方がいい時間帯やタイミングはありますか?」
・「詰まりそうなときはどれくらい時間をかけて大丈夫ですか?」
「15分調べてわからなかったら聞く」&状況シェア
「なんだ聞いてくれればすぐだったのに。これこの現場特有でさぁ」という事態を防ぐための措置です。Googleで使われていたらしい「15分以内で聞くのは周囲の時間を奪う。しかし15分以上調べ続けるのは、あなたの時間(=チーム全体のコスト)を奪っている」という思想です。
・「今ここを調べていて時間がかかりそうです。ご返信は不要ですが、一応状況の共有です!」
・「まだタスクに余裕はありそうなので、今日いっぱいは調べてみようと思います。」
・「ただ、想定より掛かりそうなので、”どのぐらい粘っていいか”があればまた教えてください…ッ」
・「意外と想定より早く終わりそうなので、”次に取り掛かれそうな作業”があるか見ていただけると助かります!」
もし直接聞くのをためらうなら、Slack等に投げるだけでも効果的です。
AIが謎にずっとくるくるしてて状況分からないときって、中で何に詰まっているか気になりますよね。
でも”この辺が気になってさらに情報を調べています”と言ってくれればそれだけで安心感が違います。
状況が見えれば「あ、そこドキュメントが古いだけだから気にしなくていいよ!」とレスキューしてくれたりします。
成功した場合も「結果シェアとお礼」
質問して回答をもらった後、うまくいったら必ず報告しましょう。サポート側は「回答したけど、その後大丈夫だったかな…」とうっすら心配しているものです。
・「先ほどの件、無事に解決しました!ありがとうございました!」
この一言があるだけで、チームの気がかりをきちんと終わらせられます。
【業務の把握】経験と照らし合わせてサービス概要に迫る
概要の説明や把握で、サービスを自分事として捉え、今後の会話に入るためのコツをご紹介します。
過去に自分が触ってきたシステムや、日常で使う似たサービスに当てはめてみる
規模が大きなサービスだと、仕様書を読んでも文字が目を滑っていくだけで、ドメイン知識が頭に入ってこないことがありますよね。サービス概要や設計書を読むときは、ただ文字を追うのではなく、利用シーンを想像してみましょう。
・「このサービス使うのってどういう時だろう」
・「ユーザーは、これらの情報見えてるのかな?なにを基準に選ぶんだろう」
・「こういう締め日って25日のイメージだけど、この処理って翌月で動いてるんだ?でもこっちは日次で回してる。どういう処理を月次にしてるんだろう」
・「この機能、期限だけじゃなくて『設定した日』も見えた方が使いやすそうだけど、あえて出していない背景があるのかな?」
データのスキーマを見るときも、単なる文字列ではなく「もしこれが自分のデータなら」を想像します。
イソップ物語の「3人のレンガ職人」と同じで、単なる仕様の把握というより「何をお客さんに届けるためのシステムか」が分かると、一気に当事者意識が生まれやすい気がします。
自明なことでも「感想」や「確認」として数ラリー会話を発生させる
「質問はありますか?」と聞かれて「今のところ大丈夫です!」で終わらせず、見れば分かること/追々分かるだろうなと思っても数ラリー会話を発生させるのです。
・「ここで処理が分岐してるんですね。この条件ってだいたい画面から渡される認識であってます?」
・「この機能は有料会員限定なんですね」
・「ここ似たようなところを担当したことがあるんですけど、結構テストが大変だったのを思い出しました」
・「データの物理削除はこっちの機能で非同期処理してるって認識であいますかね?」
・「テーブル構造、一気に覚えるのは難しそうですが、まずはこの辺りに注目しておくといい、などはありますか?」
※仕様や機能全体でも置き換えられます
・「今って主にどのあたりの開発やエンハンスが多いんですか?」「そういうエンハンスってどこかから要求が来るのでしょうか」
・「私が最初に触りそうなところって決まってたりしますか?」
さりげなく経験アピールもしておくのもいいですね。見れば分かるだけのところでも、聞くと意外と背景や経緯が掘り出せます。この情報がサービスを一緒に考えるための基盤になっていきますよ。
また、数ラリーでも気になったことを聞ける・サービスを利用者/開発者目線で話ができると「あ、この人ちゃんと當事者として話を聞いてるな」「仕様を理解しようとしてくれているな」と感じてもらいやすいです。気づけば「これフラットな目線ではどう思う?」と、話を振っていただけるようになることもあります。
【雑談ぽさの混ぜ方】「人となり」のチラ見せ
「仲良くなる必要はない」と言いましたが、雑談を混ぜる理由は「業務のコミュニケーションハードルを下げる(話しやすい雰囲気を演出する)ため」です。
自分のプライベートを切り開く必要はありません。テキストや口頭のコミュニケーションに、スパイスとして「ちょっとした感情」を混ぜるだけで十分です。
| 通常の文面 | 💬 感情のスパイスを混ぜた文面 |
|---|---|
| 「承知いたしました。」 | 「承知いたしました!大変助かります!」 |
| (環境構築の報告) | 「環境構築で盛大に詰まりました。お手数をおかけしました😂構築手順書も修正しておきました!」 |
| (作業中の報告) | 「このあたりコメント残ってるのがとても有難かったです。」 |
| (完了の報告) | 「緊張しましたがフォローいただき無事にできました」 |
こうした業務に紐づくちょっとした独り言や感情を、Slackの分報、PRのコメント、ミーティングの終わりに少し混ぜてみます。話し言葉のときは、自分のトーンやテンションは無理に変える必要ありません。
「この人はこういうことで悩むんだな」「こういう技術/作業が好きなんだな」「それあるあるだよね」と、人となりや共感が周囲に伝わるだけで、心理的距離はグッと縮まります。
全員に伝える必要もありません。言いやすそうな方にまずは言ってみる、ぐらいからで大丈夫です。
次の人が馴染むために
Tipsたちを読んでみて、「簡単だな」「当たり前のことじゃん…」と感じた方も、「これ自体カロリー高そう…」と感じた方もいると思います。でも、次はあなたが、新人をそっと見守る・教える立場になるかもしれません。
最近まで自分が新人だったのであれば、あなたは新人にとって一番身近な先輩です。自分が新人の頃を思い出して、「どんな声掛けがあったら勇気が出ただろう?」「どんな反応をされたら嬉しかっただろう?」と、ちょっとだけ想像してみてください。
気が向いたらでもいいので、上記Tipsを実践しやすい雰囲気や働きかけを、ぜひ先輩になったあなたからもやってあげてください。
これも雑談ですが、私がよく思い出す夏目漱石の『草枕』の冒頭を共有します。
智に働けば角が立つ。情に棹(さお)させば流される。意地を通せば窮屈だ。とかくに人の世は住みにくい。
〜(略)〜
人の世を作ったものは神でもなければ鬼でもない。やはり向う三軒両隣にちらちらするただの人である。
ーーー 夏目漱石/草枕
「向こう三軒両隣」とは、自分の周りの身近な人たちのことです。自分の周りの環境を作っているのは身近な人たちであり、同時に自分もまた、誰かにとっての環境の一部です。
自分が参画した現場が、ほんの少しでも住みよい場所になるといいなぁ(そしてそれが自分に返ってくるといいなぁ)と思って私は仕事をしています。
まとめ
長々と書いてしまい、この記事がハイカロリーで恐縮です😇
今回ご紹介した「チームに早く馴染むためのTips」は以下でした。
💡 「チームに早く馴染むためのTips」
- 能動的な質問で、早い段階から「自走できる人」という信頼を掴む
- 「質問の仕方」自体を質問
- 「15分調べてわからなかったら聞く」&状況シェア
- 成功した場合も「結果シェアとお礼」
- 過去の経験と紐づけた業務把握で、当事者意識を持って会話に混ざる
- 過去に自分が触ってきたシステムや、日常で使う似たサービスに当てはめてみる
- 自明なことでも「感想」や「確認」として数ラリー会話を発生させる
- 業務に感情のスパイスを混ぜることで、話しやすい雰囲気を演出する
- 業務に紐づくちょっとした独り言や感情を少し混ぜてみる
これらは「神がかった技術力」も「超絶なコミュ力」も必要ありません。
遠慮がちになるよりも、「これから一緒にこのサービスを良くしていく仲間です!」というスタンスをちょっとずつ出していくだけです。
新しい現場に入るのはエネルギーが必要ですが、ほんの少しの工夫で自分もチームも劇的に働きやすくなるかもしれません。
自分が投げた小さな一歩が、巡り巡ってあなたとチームの「住みよい場所」を作るきっかけになりますように。
新現場に飛び込むすべてのエンジニアに、幸あれ🎉
「踊る阿呆に見る阿呆、同じ阿呆なら踊らにゃ損々」 とりあえず興味のむくままに動く人。 なんでも検索しちゃう。 夕方の帰り道に世界が青く見える現象の名前を永遠に覚えられなくて毎回検索している。 おそらく社内ブログ随一の長文タイプ。反省はしている。後悔はしていない。